PMSと間違いやすい病気
生理前、イライラしたり、悲しくなったり、集中力が低下したり、頭痛がしたり・・・
女性たちは様々な症状に悩まれています。
「PMS(月経前症候群)」という言葉も知られるようになり、「生理前の症状=PMS」として認識されるようになりました。
でも、「PMS」と似た症状が出るため、見落としてしまいやすい病気もあるんです。
PMSと思っていても、症状が重い場合、また生理が始まっても症状がおさまらない場合、他の病気の可能性もあります。心配な方は、ご自身の症状と比べてみてください。
PMDD(月経前不快気分障害)
PMDDについては、以前お話しさせて頂いたことがあります。
Premenstrual dysphoric disorderの略称で、日本語名で「月経前不快気分障害」という病気です。
簡単に言うと、PMSのココロの症状がとても重い病気です。
生理前、強い絶望感を感じたり、自殺願望が出たり、他人を傷つけたり、攻撃的な言葉が出たりします。
他人を傷つけてしまうことで、自分が嫌になってしまうという方もおられると思います。
あまりに症状が重いと感じられる場合は、婦人科や精神科を受診してみられてください。
うつ病と不安障害
生理前、脳内の幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌量がぐっと減ります。それによってイライラしたり悲しくなったり、ネガティブな感情が生まれます。
うつ病も「セロトニン」の不足が原因のひとつとして挙げられます。
抑うつの症状としては、憂鬱な気分が強くなり、涙もろく、疲れやすく、集中力が低下するという、PMSや更年期症状とよく似た症状があらわれます。
うつ病を発症すると、生理前になるとその症状が強く出てしまうという女性もいます。
症状が重いと感じられた場合は、一度精神科を受診してみましょう。
慢性疲労症候群
お仕事や家事、人付き合いなどで疲れてしまうことがありますよね。
そんな事情で極度の疲労が長く続いた場合、倦怠感だけでなく微熱や頭痛などの症状が起こる場合があります。
PMSであれば、倦怠感や頭痛を感じても、生理が始まるとおさまります。
慢性疲労症候群の場合は、生理が始まっても回復せず、症状が続きます。
ただ、この慢性疲労症候群は、医師でも診断をくだすのが難しいと言われていて、うつ病や更年期障害と診断されることもあるようです。
疑わしい場合、専門医を紹介して貰うと良いかもしれません。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
首の前側にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰に働いてしまう病気です。
バセドウ病は、20~30代の女性に多い病気です。
バセドウ病の初期症状は、イライラする、怒りっぽくなる、攻撃的になる、汗が多く出る、頭痛、疲れやすくなるなどといった、PMSや更年期症状に似た症状です。この後、甲状腺の腫れや脈拍が増えるといった症状が起きます。
疑わしい場合は、内科もしくは内分泌科を受診し、一度甲状腺ホルモンの数値を調べてみましょう。
橋本病(甲状腺機能低下症)
バセドウ病と逆で、甲状腺機能が低下する病気です。
症状としては、むくみ、手足の冷え、便秘などがあげられます。
橋本病は、40~50代の女性に多く見られますが、20~30代の女性も発症する場合もあります。
こちらもバセドウ病と同じく、内科もしくは内分泌科を受診し、甲状腺ホルモンの数値を調べてみましょう。
化学物質過敏症
化学物質が原因で、カラダやココロに異常が現れる場合があります。
むくみや発疹、食欲低下、イライラしたり、攻撃的になったり、PMSと似た症状が現れることがあります。もともとのPMSが化学物質によって悪化することもあるようです。
アレルギー体質の方、薬品を扱う職業の方、新建材のお家にお引っ越しされた方、幹線道路の近くの方、農薬等も注意が必要です。
おわりに
生理前だから、PMSだから、と思ってやり過ごしていても、いつまで経っても症状が改善されないという方。
もしかするとPMSではない病気が潜んでいるかもしれません。
不安に感じられることがあれば、早めに受診しましょう。
結果が分かることで、原因不明の体調不良に怯えずにすむかもしれません。
また、専門医に診て頂くことで、もしかすると辛い毎日から解放されるかもしれません。
ご自身のカラダとココロを大切に、しっかりと向き合ってあげてくださいね。